大学を卒業し、とうとう社会人になってしまいました。
勤務地は地元に近い地方の町なんですけど、初任者研修は東京のそこそこ立地が良いところで新入社員全員集められて行われることになっていたので、4月は2週間くらい東京でホテル生活をしていました。
研修が始まる前、2週間東京で過ごせると知った私が真っ先にしたこと、それは「滞在中にやる行きたいライブのチェックとチケ確保」でした。
元々東京に暮らしてライブ三昧の生活をしてみたいなぁという気持ちはありつつも現実問題として色々不都合があり地方での就職を決意したのですが、ほぼ理想通りの環境で過ごすことが出来る機会があるのならそれを十分に生かしたい!というモチベーションです。
という訳で研修中は仕事への熱意<<<<ヲタ活への熱意といった状態でめちゃめちゃ楽しい日々でした。
数えてみたら、約14日間の研修期間で9つライブを見に行ってたみたいです。次の日研修あるのに帰ってきたら23時過ぎてたりしたし、ちょっと社会人なめすぎかも。
とにかくライブにたくさん行きたかったので入社式の日とか研修初日とかにも平気で予定を入れてたんですけど、入社直後、同期の人たちと全くコミュニケーションが取れず完全に孤立してしまい(スタートに失敗しちゃったしもう私はだめかもしれない……)と落ち込みながら見に行った絵恋ちゃんとゆっきゅんのツーマンが本当に楽しくてものすごく元気と勇気をもらえて、次の日勢いのまま近くの人に話しかけることに成功しそこから何とか集団の中に入れてもらえるようになったのでメンタル的な意味でもライブの予定をたくさん入れてて正解でした。ヲタクは舞台に立つ人たちのパワーに生かされている。
特にたくさん見たのはお笑いのライブで、昨年のR-1以降すっかりファンになってしまった寺田寛明さんが出演されているライブには行けるだけ全部行きました。
いつも配信で見ていたライブを生で見られて嬉しかったり、仕事終わりにふらっと劇場に行って最前で推し芸人見てる状況に全然現実味が湧かなかったりしました。総じていうとめちゃめちゃ楽しかったです。
あとこれは寺田さん関係ないけど、サスペンダーズが出ているアンスリウムレッドを見られたのもよかったです。よくラジオを聞いてるのにサスペンダーズを生で見たのは初めてだったんですけど、古川さんの心根から出ていそうなちょっと失礼な言動がラジオだからとかじゃなく普段のライブでも同じなんだと知れて面白かったです。古川さんにはKOCでテレビ呼ばれるようになったのをきっかけにドッキリにたくさんかけられて人間不信を加速させてほしいという願望がある。
それはさておき。四月上旬の寺田さん出演イベントを一通りチェックするなかで、一つ、いつものライブとはまた違ったおもむきのイベントが予定されていることに気づきます。それがボケルバで開催された「寺田寛明の大喜利塾」でした。
ここで一応説明を入れておくと、ボケルバというのは“誰でも気軽に大喜利ができるカフェ”というコンセプトのもと、遊びにいったら誰でも大喜利を楽しむことができるというお店で、件のイベントは寺田さんに大喜利を教えてもらいつつ一緒に答えることもできちゃうという、大喜利初心者向けの勉強会的なものでした。
まぁつまりは大喜利をする人向けのイベントだったのですが、この頃の私は申し訳程度の回数ラジオにネタメールを投稿したことがあるくらいの大喜利未経験者。客観的にみればこのイベントに参加したところで何の意味もない存在だったのです。
とはいえせっかくの機会ですからイベントには行ってみたい。どうやらイベントには見学枠があって参加したからといって大喜利をしなきゃいけないわけでもなさそう。なら見学枠で申し込んじゃえ!とノリで参加を決意しました。
ですが貴重な枠を一つ潰しておいて「寺田さんの姿が見たいだけ」というのは流石にスタッフさんや他の参加者さん、見学したかったけどできなかった人たちに失礼というもの。
考えてみれば、元々寺田さんを見ているうちに大喜利に興味は持っていたし、前述の通り(数回とはいえ)ネタメールを出す程度にはユーモアを考えることも嫌いじゃなかったので、これがいい機会だ、という想いもあり自分も大喜利を始めてみることにしました。
まさかこの選択が今後自分を狂わせるとも知らずに。
実際大喜利を始めるとして何をどうすればいいのかなーとぼんやり検索をかけてみたところ出てきたのが“大喜利茶屋”というサイトで、まぁこのサイトの説明まですると話が長くなるんで知らない人はざっくり大喜利ができるサイトなんだなぁくらいの認識でいてもらっていいんですけど、とにかくこの大喜利茶屋をやってみることから始めてみました。
と言っても前述のイベントまでに茶屋に参加できたのは数回程度だったのですが、それでもお題の要素に自分が詳しくないとろくに回答できないこととか、お題に沿った回答でも面白くなきゃ意味がないこととか、自分と似た発想の人が言い回しでもっと面白い回答を出してたりとか、良い答えを出すために必要な能力が沢山あることを実感して自分の無力さを痛感していました。ただ、自分なりに満足いく答えを時間内に出すことができた時はかなり気持ちいいということにも気づけたのは大きかったです。
今思うと、このころには既にだいぶ大喜利にハマりだしていた気がする。
そんなこんなでイベント当日。その日は昼にこたけ正義感さん主催のライブ(これにも寺田さんが出てた!)を見に行っていたので、既にそこそこの満足感があった状態でのスタートでした。
イベントは、まず一般の参加者が4つのグループに分かれて、それぞれ大喜利をした後寺田さんがお手本の回答を見せるという流れを4グループ分繰り返したのち、今度は寺田さんも一般の方と一緒に大喜利をする、というような流れで行われました。説明わかりづらいけどここはそんなに大事な所じゃないから許して!
最初のグループが舞台上に並び、大喜利がスタートしたのですが、みなさん答えがまぁーーーー面白い。
ネット大喜利をやる中で、全然知らない一般の方でもめちゃめちゃ面白い答えを出す人たちがいるということはわかっていたのですが、それでも実際目の前にいる人たちがバンバン冴えた回答を出しているのを見てると大変面白くて笑いが止まらなくて…………それと比べたら自分はなんてつまらない人間なんだと落ち込んできてしまいました。
この時、自分でも心の底から湧いてくる感情がよく理解できていなくて、(何でこんなに楽しく笑っているのに胸の奥が苦しいのだろう……)と思いながら大喜利を見ていたのを覚えています。
ここから突然の回想タイムに入ります。
思えば、私が人生の中で人から一番評価されてきたのは“話の面白さ”だったような気がします。
中学生の時にラジオにハマったおかげで一流の面白トークを同級生よりも多く聞くことができて、その上インディーゲームやEテレ番組の視聴など周囲とは少し異なる趣味を持っていた私は、他の人とは少し違う観点で、(同級生と比べたとき相対的に)構成の整った話をすることができるというだけで、周囲からちょっと面白い人認定されていたような気がします。
とはいえ、その面白は自分が好きなものが周りとは違っていることによるズレを面白おかしいものだと認識してもらっているだけに過ぎなくて、自分自身は何も面白いものを生み出せているわけではないということも理解はしていて、でも日常過ごす上で周りの人をちょっと笑顔にする分にはそれで十分とも思っていました。
そんな「周りから評価されている自分の面白さは、決して本来の自分が持ち得ているものではない」というコンプレックスが、本当に面白い人たちを見ることで爆発してしまったんだと思います。
そこからはもうメンタルがダダ崩れになってしまい、終演後の特典会で寺田さんの顔を見て(この人って、めちゃめちゃ面白いんだよなぁ……)と思ったらため息が出そうになり、でも流石に特典会で顔を見てため息つくのは意味わかんないし単純に失礼なので我慢して会話しようとしたら、終始あり得ないくらいローテンションでのやりとりになってしまい結局全部失礼になってしまいました。
その上ぼんやりし過ぎてカバン忘れて帰宅して、途中で気づいて一時間後くらいにお店に取りに戻ったのでスタッフの皆様にもご迷惑をかけてしまいました。つまらない上に失礼で迷惑もかける人間、最悪すぎ。
ただ楽しく大喜利が見たかっただけなのに、どうしてこんなことになってしまったのか。辛いし苦しいなぁと思う一方で、自分だってあれくらい面白くなってやりたい!!という闘志が湧いてくるのも感じていました。この気持ちは自分だけで気づいたものじゃなくて、先の特典会で落ち込みつつも寺田さんとの会話を成り立たせようとするなかで、思わず「自分もああいう(人前で面白い大喜利の答えを出す)ことがしたいっていうモチベーションが出た気がします」という発言が口をついて出たことで意識できた感情だったかもしれません。
いつだったかブログにも書いたような気がするのですが(そして後から恥ずかしくなって消したような気もするのですが)、私には打ち込める趣味みたいなものが何一つないし、悔しい!とか、負けたくない!みたいな自己成長に繋がる強い気持ちを持つことがあんまりなくて、ずーっとぼんやり生きてきただけな気がしていました。だから、知らない人の大喜利にここまで心を動かされてしまったことに自分自身でもかなり驚いています。
まぁでもむしろ、知らない人がめちゃめちゃ面白かったからこんな気持ちになってるんでしょうね。別にお笑い芸人の人とかが大喜利強かったところでそりゃそういう職業だもんなって感じですし。
ここまで長々と書いてきましたが、結局何が言いたいのか、これから何がしたいのか、そんなことはこの文を書いている私にもまだよくわかっていません。ただ、とにかく大喜利を頑張ってみたいと今は考えています。
あえていうなら、自分で自分に自信が持てるくらい大喜利ができるようになりたいんだろうなぁと思います。もともと私は自分の中だけで満足できてしてしまう人間で、逆に言えば人から評価されたところで自分が納得できないと価値を感じないという一面があったりするので、とにかく自分が満足するまで頑張らないといけません。
今のところ、大喜利茶屋をやっていても全然いい回答が思い浮かばないし他の人はみんな面白いしで落ち込むことの方が多いのですが、たまにいい回答を出せた時の嬉しさが余裕で勝るので楽しく続けられています。
あと、冒頭で述べたように今年から社会人なので、会社では「社会に貢献する人間とは」「会社の中で活躍するためのスキル」みたいな話ばっかり聞かされてて、もしかしてこの会社で成果を出すことが私の生きる意味だったりするのか……?と勘違いしそうになるんですけど、家帰ってから大喜利でバカバカしい回答を出すために楽しく頭を捻らせていると、いや会社が生きがいなわけないだろ働くのは全部金のためだよバーーカ!という気持ちを取り戻せるので最高です。
そんな気の持ちようで社会人最初の一ヶ月を何とかこなして、待ちに待ったゴールデンウィークが始まりました。最初の数日は実家に帰省しないといけないんですけど、後半の休みは自由なので東京にライブを見る遠征に行くことにしました。もちろんお目当ては寺田さんです。
寺田さんのGoogleカレンダーをチェックしつつ計画を考えていると、5月5、6日にいい感じにライブの予定が固まっているようで、このタイミングで東京に行くことにしました。
ただ、6日はライブが夜からなので夕方まで時間があるんですよね、この時間何しよっかなー東京で観光したいとことかあるかなぁ…………。
いや、私には観光よりもやらなくてはならないことがある。ボケルバに行って生大喜利デビューをしなくてはならないのだ!!
いやもちろん“ねばならない”ということは全くないし、まだ大喜利全然強くないのに参加したところでものすごく滑って後悔することになるかもしれないんですけど、おあつらえむきにいい感じに時間が空いていて大喜利へのモチベーションも高いタイミングでボケルバに行かないとそれはそれで後悔することになりそうなので、結局行く以外私に道は残されていないのです。
一緒に行ってくれる知り合いもいないので全然一人で行きます。上手くできなかったらお店の隅で一人落ち込むことになるかもしれない。嫌だ……なんでお笑いにハマったせいでこんな苦しむことになるんだ…………。
で、今はボケルバの予約時間2時間前。立ち寄った喫茶店で、気持ちの整理をつけるためにこのブログを書いています。昨日からずっと(全然回答出せなかったらどうしよう……)と(どうせ実力者には逆立ちしたって敵わないんだからスベっても気にすんなよ!)が交互にやってくる状態なのですが、もうここまで来てしまったからにはとにかくボケルバに行くしかありません。
不安な気持ちはあるんですけど、一方でワクワクしているというのも確かです。なんにせよ色んな人の大喜利見られるの楽しみですし。
ウワーーー言いたいことが全然まとまらない!!!とにかく今から生大喜利デビューしてきます!!!もうどうにでもなれ!!!