カラオケがしたくて外出したのに、（おそらく）学校を卒業した中高３年生たちが大勢カラオケ店に集まっていて空いていませんでした。
せっかく外出したのに何もせずに帰るのももったいないので、公園に行って一人でブランコに乗っていました。
なぜブランコなのかというと、普通に僕がブランコ好きだからです。バイトをしていたころは、勤務時間まで時間が空いた時に近くの公園のブランコで暇をつぶすこともよくありました。
客観的に見て大人が平日の昼間に一人でブランコを漕いでいるのは不自然ですから、小さい子供が公園に来たら自分はおとなしく帰ろうと思っていたのですが、来たのは中学生の二人組と犬の散歩をするおばさまだけだったので、足と腕がつかれるまで一時間くらいブランコを満喫できました。
ただ、中学生たちはこちらをチラチラ見ながら僕から一番遠いベンチに座っていましたし、下校中の小学生は公園の外からこちらをガン見してきたので、地域の治安を乱してしまったことに対する申し訳なさを若干感じていました。
ブランコを漕ぎながら音楽を聴いたり、この前のR-1面白かったな、なんて考えていたら、だんだん気分が高揚してしまい、いい年して立ち漕ぎまでしてしまいました。
一人でブランコに乗る大人は少ないながらも一定数いるとは思うんですけど、さすがに立ち漕ぎまでするような人は少ないでしょうから余計中学生を怖がらせてしまったかもしれないですね。
自分が小中学生だった頃、平日昼間に外にいる変な大人のことを不思議な目で見ていましたが、今は僕がそういう大人になっているのを感じます。
僕が思うに、変な大人っていうのは単に基本的な社会人のスケジュール通りに動いていない人物であるという以外に、見た目に不自然さがにじみ出ているんですよね。ヨレヨレの服やぼさぼさの髪、年齢の割に子どもっぽい（言い換えると安っぽい）持ち物、全体的に挙動不審なふるまいが、子どもたちに無意識ながらもその人物のヤバさを察知させているんだと思います。
仮に僕がオシャレで綺麗なお姉さん、あるいはクールでカッコいいお兄さんなら、平日昼間に公園にいようが子どもたちからはいい意味で注目の的になれるんだと思います。
でも実際には外出時にきっちり身だしなみを整えるような世間体を持ち合わせている人物は周囲に配慮できる方でしょうから、公園利用者のためにもブランコを漕ぐためだけに公園にくるような行動はとりません。
なので現実に公園にいるのは全身真っ黒の服装で推しのアイドルの曲を聴きながらニヤニヤしてる僕みたいな人間だけです。
でも別に僕も周りに迷惑をかけたくて公園にいるわけじゃないんです。ただブランコが好きだった幼少期を懐かしんでいるだけなんです。きっと大半のいわゆる変な大人たちもそれぞれの事情があって不自然な行動をとってしまっているだけなんだと思います。
小さい子が来たらすぐ帰りますし、にやにやした顔はマスクの下でしかしないので、暇なときにブランコで遊びたくなってしまう僕を許してほしいです。皆さんはどうか変な大人を見かけても何らかの迷惑行為をしているわけでないのならばそっとしておいてあげてください。
