小さいころ、どうして何もないところからホコリが生まれるのか不思議で仕方がありませんでした。大きくなった今ならば、ホコリは服などの繊維の屑が空気中を舞い、やがて溜まっていって出来たものだという知識を持っていますが、感覚としてはイマイチ理解できていないです。
だって服の繊維が抜け落ちたもののなれの果てと言っても、日頃着ている服が小さくなっている感覚はないのにホコリだけいくらでも湧いてくるなんておかしいじゃないですか。質量保存の法則に反してますよ(質量保存の法則は化学変化前後の質量の話なので全然違う話ですけど)。
僕が思うに、これまで掃除してきたホコリを全部集めてきれいに整えれば、服一着分くらいは作れると思います。そうやって服をこしらえれば実質無から衣服を生成したといったも過言ではないですね。
ところで、僕は身の回りのモノとかに心が宿っているという妄想をよくするのですが、ホコリから生まれた服はいったいどのような心を宿すことになるのでしょうか。すべてのホコリが一つとなって唯一の人(服)格が芽生えるのかもしれないし、構成されたホコリたちすべての精神が複雑に融合し、アイアムアレジェンドの終盤あたりのZQNみたいになっているのかもしれないですね。
ホコリのことが不思議でたまらなかった小さいころは、存在しない服の存在しない精神状態を妄想するような大人に成長するとは思ってもいなかったなぁ……。現実のほうがよっぽど不思議だ。