脳内連続ドラマ

中学生のころ、モノを擬人化したキャラクターを登場人物としたドラマを脳内で作成していました。

工場で生産された雑巾、使い古された布で作られた雑巾、ちょっと高級な布で作られた雑巾の三枚組が主役で、雑巾としての過酷な職場を中心に、それぞれの境遇の違いから生まれるすれ違いに苦しみながらも、互いを理解しあいともに仕事に励むというお話です。
このドラマ、シーズン3まで制作されていて、シーズン1は主人公たちが真の友情を築くまでのお話、2はバケツや箒といった雑巾以外の同僚たちとの関係性、3は海外からやってきたモップとのバトルが描かれています。
ある時まで制作は順調に進んでいたものの、お話の根幹である「役割が違う道具たちが互いの存在を認め合うまでの物語」というテーマに飽きてきてしまい、シーズン3の途中で制作打ち切りになってしまいました。

この作品が打ち切りになった後は、黒板消しクリーナー(女の子)と黒板(男の子)の学園恋愛ドラマの制作が始まりました。
なんでそんな設定になったのかというと、「黒板消しクリーナーって黒板消しの存在ありきのもので、黒板消し自体も黒板ありきの存在だから、自分の名前の元ネタの元ネタとは出会ったことがないんだよなぁ……。そうだ!お話の中で黒板消しクリーナーと黒板をくっつけちゃおう!」と思いついたことがきっかけです。

話の大まかなあらすじは、自らのアイデンティティに悩む黒板消しクリーナーちゃんが、転校先の学校でみんなの前で堂々とふるまう黒板くんに一目ぼれし、黒板くんも教室の隅で粛々と仕事をこなす黒板消しクリーナーちゃんのひたむきさに次第に惹かれていくようになる……というものでした。
黒板くんと黒板消しクリーナーちゃんの仲を取り持ってくれるのは共通の友達である黒板消しちゃんなんですけど、実は黒板消しちゃんも黒板くんのことが好きで、でもお話中盤で彼の気持ちに気付いてからは自分の恋心を抑え込んで二人の幸せを願うようになるんですよねー。せつない。
この作品は僕の脳内ドラマの中でもNo.1のヒット作で、本作制作以降は黒板消しクリーナーを見るとかわいいと感じるようになってしまいました。
ここで黒板消しクリーナーの可愛さについて語っていきたいところですが、話し始めると止まらなくなりそうなのでまた別の機会に。

黒板消しクリーナーちゃんのドラマ完結後は、体育館のでかいタイマーと、壁に飾られている校歌の歌詞看板がW主演の恋愛ドラマが始まりました。
とある部活が舞台となっており、タイマーくんは真面目に練習をする優等生タイプの部員で、歌詞看板ちゃんはそのマネージャーです。
タイマーの正確に時間を教えてくれる機能を真面目な性格に、歌詞看板のみんなが忘れてる校歌の歌詞を教えてくれる便利さをマネージャーとしてのマネジメント能力にうまく擬人化させているのが見所ですね。
本作はほかの作品とは異なり、ストーリーよりもキャラの関係性をメインにして、4コマ漫画的な短いお話の中でキャラ同士の交流を描くような構成となっていました。

振り返ってみると結構いろいろな空想をしていたんだなぁと我ながら感心してしまいました。道具の特性を擬人化してキャラクター化するのって楽しいですね。最近はあんまりこういった作りこんだ空想はしなくなってしまいましたが、いつか新作を作って、今度は絵や小説といった形でまとめられたらいいなと思っています。

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