少女漫画の冒頭で、オレ様系イケメンが自分になびかない主人公と接し、「おもしれー女」と逆に気に入ってしまう、というあるあるな展開があります。
ここで言う”おもしれー”とは、男がこれまで受けてきた女の子からの無条件の好意とは違う、男の偉そうな態度に対する嫌悪の目が物珍しく感じるから生まれるものであって、本当の意味で主人公が”おもしれー”訳では無いですよね。
イケメンというだけで傲慢な性格が許されている男の環境が異常なだけであって、上から目線な男にはっきりとNOを言える主人公はむしろ普通の感性を持った人物なのでしょう。
僕はどんな女性と会ったときに”おもしれー女”と思うのでしょうか……。
話術があって人を笑わせることが出来るとか、天然でずれたことを言っちゃうとか、そういう単純な面白さが”おもしれー”につながるわけではないんですよね。
自分が興味を引く何か物珍しい特徴が”おもしれー”の源なので、改めて僕にとっての”おもしれー女”がどういう人なのかと考えるとなかなか難しい質問です。
これまでに出会った女性の中で僕が”おもしれー”と感じた経験から考えてみましょう。
まず思いついたのは、小学生の時、先生が嫌いで反抗心から授業中に本を読んでいた頃の話です。
近くの席の女の子が「授業中に本読んでるの!?」と話しかけてきて、「まぁね」と少し気取って返事をしたら、「私授業中に本読んでると先生の話が邪魔でどこ読んでるのかわかんなくなっちゃうんだよね、普通に読めるなんてすごい」と言われたことがあります。
授業中であることではなく、人が話している最中であることのほうがこの人にとってのツッコミポイントなんだ、着眼点が面白いな、と感じた記憶があります。
また別の人で面白いなぁと思った話があります。
その人が小さいころ、初めて”死”という概念を知って怖くなってしまい、毎晩神様に「死んでしまいませんように」とお祈りする習慣がついたそうです。
ですがそのうち「親戚にも死んでほしくない」「災害も起こってほしくない」「病気にもなりたくない」とお祈りすることが増えてしまい、寝る前はちゃんと全部お願いしたいことを言えただろうかと不安で眠れなくなってしまいました。
そこである日、思いつく限りのお願い事を書きだし、書いた紙を机に入れて、寝る前は「机の中の紙に書いてあること全部まとめてお願いします」とお祈りするようにしました。
そんなことを続けているうちに、あれこれ不安がっている時間が短くなったおかげか、お祈りをすること自体どうでもよくなってしまったそうです。
この話のどこが面白いのかうまく言語化することが出来ないんですけど、幼少期特有の漠然とした不安、それを解決するために毎晩神様にお祈りするというかわいらしさ、増え過ぎた願い事を紙にまとめてお願いするという機転、そのうちどうでもよくなってしまったという子どもらしいオチ、全てに人間味があるところが好きです。
振り返ると、人の言動を見聞きしたときよりも、何故そうしようと思ったのかという動機を聞いた時のほうが、このひと”おもしれー”な、と感じる傾向があるようです。
ちょっと人と接しただけでは、面白いと判断するだけの材料は手に入らないですからね。
なので、ちょっと冷たくあしらわれたからと言ってすぐ”おもしれー女”とか判断しちゃう高飛車男は人の内面を見ようとしていないし、顔がいいというだけで群がる周りの女たちは論外、という感じですね。もっと面白いと思える判断基準を身に付けてほしい。
そんなにあんたの周りには面白いものがないのか?深夜ラジオとか聞いたらもっと面白い話聞けると思うよ?とアドバイスしてあげたいです。