世の中にあふれている大量の情報を収集し、そこから何らかの有意義な知識を見つけ出すための技術を”データマイニング”と言います。
データマイニングが企業に貢献した有名な話として、ビールとおむつの関係があります。
あるスーパーで、効果的な商品配列をするために、客が買い物をした際のかごの中身を分析し、どのような商品を一緒に購入する傾向にあるのか調査をしたそうです。
その結果、「パンと牛乳」「風邪薬とスポーツドリンク」というような、何となくその理由が想像できるような組み合わせとともに、なぜか「ビールとおむつ」にも、閾値以上の関係性が発見されたのです。
なぜこのような関係性が生じるのかというと、嫁におむつを買ってくるようお願いされた旦那が、スーパーで買い物をするとともに自分用にビールを買ってしまうパターンが多々みられるからなんだそうです。
この調査の結果を受けてベビー用品とアルコール売り場を近い位置に配置した結果、アルコールの売り上げが伸びたんだそうですよ。
この話はあくまで都市伝説ではあるのですが、理屈は理解できると思いませんか?
このような話題があることからも、多くの製品を取り扱う小売店ではその配置によって各商品の売り上げが増減することが分かるでしょう。
その傾向は商品のバリュエーションが豊富な大型店であればあるほど顕著になるであろうことも容易に推測できます。でかいダイソーに行くとつい余計なものまで買っちゃったりしますからね。
販売業界について何の知識も持たない僕ですら商品配列の効力を想像できるのですから、きっと実際のスタッフは練りに練った店舗レイアウトを設計しているのでしょう。
ところで、僕がよく行く大型書店ではプログラミング学習本コーナーのすぐ近くにエロ本が置いてあります。
ただPythonの書籍が見たくてその付近にいるだけなのに、隣に肌色率の高い冊子が置かれているのが気まずくてあんまり長居できなかったりします。
また別の書店では、就活対策本の横にエロ本が置いてあります。本能VS社会性って感じがして面白いですね。
プログラミング書籍や就活対策本は、購入者が男性や成人済みの人が多いので、ゾーニングをするためにエロ本を近くに配置しているのかもしれません。
ですが、そのようなターゲット層から生まれる疑似相関とは別で、例えばゴルフやドライブなど成人男性がやりがちな趣味と比較しても、エロ本をプログラミング書籍を一緒に購入する人が多いという可能性も十分ありますよね。
就活生は、エントリーシートや面接でたまったストレスをエロ本で解消したいというひとも多いのかもしれません。
この配列って誰がどうやって考えてるんでしょう。
何かしらデータに基づいて決めたものならいいんですけど、(どうせパソコンカタカタしている奴なんてみんなエロ本すきだろ)(就活してるくらいの年代のやつはみんなエロ本すきだろ)って偏見で決められているのならなんか嫌ですね。
店舗によって違いはあるのでしょうが、それぞれのお店で、何らかのルールによってエロ本コーナーの横に置く本が決められているっていうのは実際あるでしょうし、その理由が購入者層の近似であるということもままあるでしょう。
今後見知らぬ本屋を訪れるときは、エロ本コーナーの隣をチェックしてあれこれ邪推してみるのも楽しそうだなと思います。