目出し帽の地位向上

目出し帽。犯罪者、特に強盗のアイコンとしてすっかり定着したアイテムですが、当然犯罪者のためだけに売り出されている製品であるわけがなく、本来は防寒具として使用するものです。
冷気から頭部を保護するために日常生活に必要最低限なパーツ以外を包み込む潔さすら感じさせるデザインは個人的にとてもカッコいいと思うのですが、もし僕が好きだからと言って目出し帽をかぶって街中を歩こうものなら悪い意味で人々の注目の的となってしまうことでしょう。
糞尿を避けるために履かれるようになったハイヒールが今やお洒落の最前線で活躍するアイテムとなっている一方で、目出し帽だけは一向にその悪評を断ち切ることが出来ていないという現状。目出し帽好きの僕としては、なんとか目出し帽の地位向上に助力したいものです。
という訳で、僕たちが目出し帽をかぶるべき理由をいくつかでっち上げていこうと思います。

おそらく皆さんが目出し帽をかぶらない理由として一番に挙げられるのは、「見た目の怪しさ」でしょう。
この怪しさは、目出し帽が犯罪者の象徴とみなされているからというところからきている部分もありますが、元をたどれば「顔が見えなくなる」という点に端を発するのではないでしょうか。
顔を見せられないようなやましい事情があるように見られる、というのが犯罪者ともつながっていく訳ですし、顔を隠すという点にアイデンティティを持つ目出し帽は生まれながらにして詰んでいるのかもしれません。
しかしよく考えてみてください、ここ2,3年の僕たちは、毎日当たり前のようにマスクをし、顔を隠して外に出ているではありませんか。顔出しせずに外出して何か困ったことがありましたか?ないよね?じゃあ目出し帽だって被ってOKでしょう。

で、マスク生活を経験した皆さんの中には、顔を隠すことは防寒以外にも「おしゃれに気を使わなくてよい」「(コンプレックスのある方は特に)自分の顔を人に見せずに済む」といったメリットが存在しているということを実感されている方もいるのではないかと思います。
もしこれを読んでいるあなたがマスクに利点を見出しているタイプの人間であるのならば、やるべきことはコロナ禍以降もマスクを着用してもよい風潮を作り出すことではなく、目出し帽を着用するムーブメントを生み出すことなのです。

あとはもう単純に「目出し帽はダサい」と思っている方もいるでしょう。これに関しては僕は言えることはないです。僕が目出し帽をカッコいいと感じてもよいという自由があるように、誰だって目出し帽がダサいと感じる自由もあるのです。思想は自由なので。
ただ、目出し帽と言っても黒地に丸三つという昔ながらのデザイン(デストロイヤータイプと呼ばれるそうです。名前こわ。)だけでなく、割とお洒落なデザインのものも販売されているということは知っておいてほしいです。ちょっとググってみれば、案外気に入る商品もあるかもしれませんよ?

これを読んだ頂いたあなたの目出し帽に対するイメージを少しでも変えられたのなら幸いです。ちなみに自分の好みを押し通すあまり周囲の人の目を気にしないファッションをし過ぎると、最近話題になってた下着ユニバみたいに多くの人に迷惑をかけることになるのでやめておいたほうがいいらしいですよ。

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