食べ物に感謝しよう

ご飯を食べるときには、必ず「いただきます」とちゃんと言わないと何となく気持ち悪くなります。周りが静かで声を出しにくい空間でも、手を合わせて心の中で唱えるようにしています。
別にマナーとしてあいさつしているわけじゃないんですよね。単純に食材に対する感謝があるからいただきます、と言っているだけなので。僕が過度にモノに対して感情移入するタイプの人間だからこういう習慣がついたのかもしれないですね。

ところで、「いただきます」の対義語に当たる「ごちそうさまでした」ですが、こちらは食材に対する感謝の念というよりもご飯を用意してくれた人に対するお礼の意味合いが強いように思います。

何故対になるはずの挨拶が異なる意味合いを持つのか、ネットで調べてみたところ、もともとはどちらも食材を用意してくれた相手へ感謝を伝える言葉だったみたいですね。
自分が小さいころは「いただきます」って食材に感謝するための言葉だと習った気がするんですけど気のせいだったんでしょうか……。もしかしたらトリコのイメージが強いだけかもしれないです。

閑話休題。ここでは「いただきます」は食材に対する言葉という体で進めていきます。

日本には食前・食後の挨拶として「いただきます」「ごちそうさまでした」がありますが、もう一つ、ご飯を作った人だけがいう特殊ワードがあります。そう、「お粗末さまでした」です。
「お粗末さまでした」を使うのは大抵客人をもてなしたときなので自分が食事をしたときには滅多に言わない言葉だとは思いますが、生き物の命を頂いて作った料理を客人のためとはいえ”お粗末”と呼ぶのって食材に対して失礼じゃないですか?数十分前にいただきますって言われてあの世で満足していた食材たちが急な手のひら返しにびっくりしている絵が浮かびます。

結局「いただきます」も「ごちそうさま」も「お粗末さまでした」も、人間の自己満足で言ってるだけなんでしょうね。
自分で生き物の命を奪うこともなく、毎日の食事を不自由なく得られている人が心の底から食べ物に感謝することは難しいものです。それでも、最低限の気持ちだけは忘れないようにするために、マナーとしてこれらの言葉が残っているんじゃないかなーと思います。

ちなみに私は食べ物に感情移入するあまり、魚などの食べにくいものを食べるときに、今食べている魚にあの世から見られているんじゃないかと想像して過度に丁寧に食べることがよくあります。皆さんはここまでしなくていいと思いますけど、どんなものでも感謝の気持ちを持って丁寧に食べるようにしたいですね。

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